2023年3月31日金曜日

峠下駅(留萌本線)

 峠下(とうげした)駅です。1910年深川-留萌間開業時に最初に開業した駅ですが、今日2023年3月31日で112年余りの役割を終えました。

下り留萌行きディーゼルカーです。ひとつ深川寄りの恵比島駅と峠下駅の間が峠になります。標高77メートルの恵比島駅から峠を登り始め、ピークは恵比寿トンネル手前で標高90メートル、その後、2本目の峠下トンネル辺りで標高約70メートルになり、更に留萌川沿いに下って来た峠下駅は標高34メートルになります。

留萌本線は昔、乗降場だった北秩父別と真布以外はすべての駅に交換設備がありましたが、今では峠下駅が唯一の交換駅です。

2015年以降の乗車人員は”1人以下”となっており、実質的には早朝に1回、夕方から夜にかけて3回行われる列車交換用の「信号所」の役割です。深川-峠下間の所要時間は約30分、峠下-留萌間は約25分でした。

駅の長い有効長に、かつて恵比島から分岐していた留萌鉄道から留萌港へ向かう運炭列車が活躍していた頃の活況が感じられます。


閉塞扱いの駅員配置がなくなり完全無人化されたのは1998年ですが、駅務室はその後も保線用の詰所として使われていたそうです。

駅舎脇には、いい感じに枯れた木造の倉庫がありました。

駅前周辺には人家は一切ありません。残念ながらこの後、太陽が雲に隠れてしまいました。

駅前を通る北海道道549号線です。駅を出て左手は恵比島を経て沼田町まで続いています。

右手は300メートル程行くと国道233号線に突き当たって終点となりますので、その辺りまで歩いてゆきました。

踏切がありました。航空写真を見ると、このしばらく先に1-2軒の民家と畑がある様です。

留萌川の下流側です。留萌本線の橋桁が見えます。

上流側です。

駅に戻りました。駅舎内には「自由にお取りください」と、かわいいクマの駅スタンプを押したメモ用紙が置いてあります。

木造駅舎のある交換駅がいい感じですが、晴れていたらもっと素晴らしかったと思います。時折薄日が差しそうになるものの、太陽は雲に隠れたままでした。

遠くにある上り線の出発信号機が緑になっています。間もなく列車が来る時間です。

深川行きのディーゼルカーが来ました。ここまで乗って来た下り列車の折り返しでした。

2023年3月31日の廃止後、駅は立入禁止になっていましたが、2024年4月1日、冬場の大雪の重みに耐えられず倒壊しているのが見つかったそうです。